平成26年 予特会議(質疑)

県議会での主な発言

平成26年3月14日(金)

〇佐々木順一委員 まず確認しますが、緊急雇用創出事業のこの資金でありますが、国から県には交付金でおりてくると思います。県におりた段階で、山田町に交付する段階で補助金に変化する、こういう理解でよろしいわけですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 御指摘のとおりでございます。国から県に来る際は、交付金という極めて拘束性が弱い形で参ります。しかし、国の要領で、県から支出する際は補助金でという規定になっておりまして、県は補助金で交付しております。
〇佐々木順一委員 そうすると、そこで補助金適正化法の適用がまず発生するわけでありますね。
 それで、その一方において、再三議論になっておりますが、18ページ、平成23年12月28日、県がりばぁねっとに対して改善指導したと。それから、3月16日も直接指導している、こういう記述がありますが、これは異例だと思いますが、制度上よろしいんでしょうか。そこだけちょっと確認します。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 一般には、これは委託事業でございますから、発注者である山田町とNPO法人の間で指導なり協議が行われるものでございますけれども、確かに、県からすれば、地方自治法の中に補助金交付先に対する指導や質問権はございますが、今回のこのケースにおきましては、そういった指導的見地からというよりは、山田町を支援するという立場から、助言なり、一緒に受託者であるNPO法人の指導に立ち会いましょうという形で行われた任意のものと考えております。
〇佐々木順一委員 わかりました。それで、一般事務の調査、行政調査権限を持ったものではない、こういう理解でよろしいわけですね。いや、立たなくていいです。はい、わかりました。
 それでは、検証委員会の設置目的について若干聞きます。補助事業者としての県の対応検証、事業の適切な執行管理のあり方を検討と明記されておりますが、極めて限定的であります。なぜこのような限定的な目的になったのでしょうか。
 また、問題の一つとなった御蔵の湯については、どのような検証が行われたのか。特に、当初、建設土木事業に該当するのではないかという懸念事項が、最終的にリース物件という位置づけとなり交付対象となったわけでありますが、このことについてどのような検証が行われたのか。また、特に2人の学識経験者が入っておりますが、この方々の御意見はどうであったのかお伺いいたします。
〇桐田副部長兼商工企画室長 限定したという御質問であります。検証委員会において、委員おっしゃられた補助事業者としての県の対応を検証するとともに、緊急雇用創出事業の適切な執行管理のあり方を検討するということでありますが、県と山田町との間の問題を検証するという意味で限定ということだと思っております。
 それから、御蔵の湯についてであります。県は、御蔵の湯の建築材料費の支出が建設土木事業に該当しないのかを町に確認したところ、補助対象であるとする理由を文書で明確に示してきたので、補助対象としたものです。
 このことについて、検証委員会では、この町から出された文書の説明が補助制度に合致しないものであるとは断定しがたい内容であるとし、それらが全く成立していないものではなかったことから、県の対応は一概に不適切であるとは言いがたいとまとめたものです。
 学識経験者のお2人の御意見も、不適切か適切かという判断は多分に難しく、一概には不適切とは言いがたいというのが、現段階での結論として妥当だろうという御意見でございました。
〇佐々木順一委員 現段階というのは、どういう根拠に基づいてなんでしょうか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 現段階と申し上げますのは、先ほど来申し上げておりますが、それぞれ3者の役割と責任を吟味しようとした際に、大雪りばぁねっと。は、調査に応じない、協力しないという状況でありますし、山田町と大雪りばぁねっと。の間においては裁判が行われており、山田町にとっても明らかにできない情報があるということでございましたので、現段階ではというのは、そういった意味でございます。
〇佐々木順一委員 わかりました。それじゃ、まず、係争中であるということね。
 それから、何よりも、この事案の一番中心的な存在である山田町が、今、裁判の当事者になっているということであります。よって、一番情報を持っている山田町が、こういう裁判の当事者であることから、検討委員会の調査活動も極めて限定的にならざるを得なかったということではないかと思います。しかも、NPOの大雪りばぁねっと。には、今のところは介入できない状況でありますから、全体的な真相解明には、もちろんほど遠いものであると理解します。
 一方において、森のトレーのとき、たしか総務部に検証委員会といいますかを設置したと思っております。これと比較すると、今回の検証委員会は、一部に学識経験者2人も入っておりますし、公開ということでありますから、森のトレーの事案よりは、比較すると、一歩―半歩かな、前進したものと思っておりますけれども、いずれ限定的な状況でありますから、全体の真相解明といいますか徹底究明にはほど遠いものにならざるを得ないことは、私も理解いたします。
 それで、個別の話の中よりも、この総括の文書の中でいろいろ書かれておりますが、新たな仕組みづくりの提言をさまざま書いております。それから、総括の中で、補助事業へのかかわり方を見直す必要があるとか、あるいは機会を生かすために、通常の対応とは異なる対応の仕組みを整理し、事業の適切な執行を確保することが県の役割と責任である、こう書かれておりますけれども、このことについて、今回のこの総括を踏まえてどのような取り組みをするのか、具体的にお示し願いたいと思います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 報告書の30ページから32ページにおいて、委員会としての新たな仕組みづくりの提言という記述がございます。その中において、市町村の緊急雇用創出事業制度の担当課だけではなく、直接の事業実施担当課が制度や事業の留意事項を正確に理解することが大事であり、県はそのための制度説明会を毎年行うことが望ましいという記述もあり、これについては、実施について部で検討してまいりたいと思います。
 それから、通常の処理以上の対応の取組みということで、事業費の規模が大きい場合や受託者の過去の財務規模に比べて事業費が多額の場合において、県は、チェックリストについては、通常の場合もチェックリストがありますけれども、特別な場合においても、そういったチェックリストを活用しながら、必要に応じて市町村とのヒアリングをすることで、より一歩進んだ事務処理をすることが具体的な取り組みだろうと考えております。
〇佐々木順一委員 よくわからないけれども、まあ、いいわ。
 じゃ、会計検査院の調査について聞きますが、会計検査院が今後調査に来ると思いますが、どこが対象になるわけでしょうか、改めて確認いたします。
 また、厚生労働省も行政調査の権限を持っていると思いますが、これまで厚生労働省から報告を求められたことがあるのかどうか、また、県は、今回のこのてんまつについて、厚生労働省にどのような報告をされたのか、それをお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず最初に、会計検査院の検査でございますけれども、対象は、県及び事業を実施した山田町となります。
 次に、厚生労働省への報告及び同省の調査でございますが、この事案につきましては、同省から求められるまでもなく、県のほうから厚生労働省には、可能な限り資料提供をし、また、あわせて県の考え方を直接説明にも行き、対応してきております。そのため、同省からこれまで、県及び山田町に対する補助金適正化法による調査等は行われておりません。
 また、厚生労働省に対する情報提供の状況でございますけれども、事案発生以降、県や町の対応状況を逐次報告するとともに、新聞報道の状況についても、地方紙等ございますので、情報提供しております。加えて、平成24年度末には、補助対象とする範囲についての県の考え方あるいは完了確認における資料についての提供も行っております。
〇佐々木順一委員 現段階で厚生労働省はどういう見解なんでしょうか。何も言っていないわけですか、何か言っているわけでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 これは、あくまでも事務的な御相談を申し上げて、ある程度、県の考え方については理解できるものと御意見をいただいております。
 あとは、国としてのスタンスは、今後、会計検査院も参りますので、必ずしも一致とは限らない、今後、何らかの変更も可能性としてはあるものと考えています。
〇佐々木順一委員 真相解明とか徹底究明は、裁判の結果、判決あるいは会計検査院の調査の結果を待つのが一つの見識かと思っております。
 それで、平成25年3月13日付の緊急雇用創出事業の実施に当たり留意すべき事項における中間検査の実施について、このことについてお伺いします。
 この文書は、今回の総括がまとまる前に、先行して文書が各市町村基金事業所管部等の長に通知されておりますが、なぜこれが先行されたわけなんでしょうか。まず、それをお伺いします。
 それから、2回以上の中間検査を実施することということが措置されておりますが、これはどういったものに基づいているわけでしょうか。それから、2回の根拠は一体何でしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず一つ、時期でございますけれども、平成25年3月13日に通知を出しましたが、その前、3月1日に担当者会議を開催しております。その趣旨は、それ以降、3月に入れば、当然当該年度の完了確認作業が始まりますし、翌年度の契約に向けた手続も順次進んでまいりますので、時期を失しないように、今わかっている範囲で注意喚起しておこうという趣旨で、ここで文書を発出いたしました。
 次に、この中間検査に係る、何に基づいて導入されたものかということですけれども、これにつきましては、あくまでも緊急雇用創出事業を所管する我々としての、この事業実施に当たってのガイドラインという趣旨で示しております。この事業実施に当たっては、注意すべき事項、守ってほしい事項として示したものでございます。
 2回という回数でございますけれども、これが一律に捉えられて、さまざまあちこちに不都合が逆に生じる可能性はあったんですが、やはり最初から曖昧な表現にしては、かえって別の意味の不都合のほうが大きいと思いまして、よく一般に行われる中間時点で1回は見よう、よりは強くやったほうがいいであろうということ、また、2回のやり方についても、軽重のやり方次第で負担なく効果を発揮することができるであろうという趣旨で2回としております。
〇佐々木順一委員 2回以上ということは何回でもできますね。要するに、無限にできるとも読めるわけです。このことは、受託者にとって過度の負担を強いることになりかねないかと心配します。
 また、何回もやれば、受託者のほうも、これはもう負担もさることながら、心証を害するおそれもあると思いますので、これは、運用面で工夫する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 御指摘のとおりでございます。事業をうまく進める上で一番必要なのは、発注者と受託者の信頼関係でございます。ですから、最初から疑って、何か問題がないかということを探すような検査は考えておりません。コミュニケーションを密にする機会としてほしいという趣旨でこの中間検査という名称を使っておりますし、事業を行う県あるいは市町村につきましては、やはり過度の業務負担にならないようにというバランスは考慮してほしいということを、今後も伝えてまいりたいと考えています。
〇佐々木順一委員 ここから財政課総括課長にお伺いします。
 年2回以上の中間検査の実施、これは緊急雇用創出事業に限ったものと私は思っておりますが、ただ、これは今後どこかで歯どめをかけないと、県が管理している全ての補助事業に適用すべきではないかという声も県民のほうから強まってくるおそれもなきにしもあらずだと私は思います。
 もし全ての補助事業にこの中間検査を適用した場合、受託者の負担もさることながら、県の事務負担も計り知れないものがあると思います。このことについて財政課総括課長はどう思っているのか、認識をお伺いいたします。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 県には多数の補助金制度、補助事業がございまして、平成26年度当初予算では1,066億円、1,000億円を超える補助金がございます。そういった予算規模の中で、間接補助まで含めますと、契約の本数は膨大な数になると思われます。
 こういったことで、中間検査の実施を拡大していくとなりますと、これは検査を受ける側、それから検査を行うほうにとっても、相当の事務負担の増大があると考えられますから、やはり全ての補助金にまで検査を行うというようなことは、現実的には困難と考えてございます。
〇佐々木順一委員 私もそう思うんですね。それで、あくまでも、中間検査というのはその事業の目的を達成するために行う手段であるわけでありますが、やはり運用の仕方によって、私みたいな気持ちの小さい者が事務担当者になってしまえば、何回も、3回もやって、それが仕事になる可能性もあるわけでありますから、ここは、県のほうも、財政課のほうで余りにもこれを野放しにしてしまうと、県の行政事務が停滞することになりかねないわけでありますので、やっぱり一定の制限をどこかで加える必要があると思います。
 例えば、今まで実績のある補助金交付を受けている団体、こういったところは対象外にするとか、あるいは新規のところでも、一定の評価のあるところは1回にするとか、あるいは、新規の全くつき合いのないところについては2回とか、いろいろ工夫の余地があると思いますし、それを今からどこかで線引きする必要があると思いますが、財政課総括課長はどういう見解を持っているのかお伺いいたします。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 今の委員の御指摘のとおりかと思います。先ほど予算の規模もお話ししましたけれども、復旧、復興事業等のために、県の予算規模も1.6倍とか多額になってございます。そういった中で、こういった補助事業の確認といいますか検査のあり方ということについては、今、御提案いただいたように、補助事業の実績のないような企業あるいは団体に対する補助のケースもふえてございます。それから、先ほどコミュニケーションを密にとか過度の業務負担につながらないようにということもありましたので、そういった場合には、実績のないところを対象にするというような、いわゆる指導なり、そういった観点で、検査という表現はどうかあれですが、やはりそういった事業をうまく推進していくような形で取り組んでいくということは、大事なことだと思っております。

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