平成26年 6月定例会本会議(提案理由の説明)

県議会での主な発言

〇38番(佐々木順一君) 希望・みらいフォーラムの佐々木順一でございます。
 ただいま議題となっております発議案第14号について、議会の前例に倣い、提案の理由を申し上げます。
 民主主義国家を標榜する日本国憲法下においては、権力者が立憲主義に基づき政治を担当することは極めて当たり前のことであります。
 また、集団的自衛権行使の容認は、我が国の防衛と直接関係のない国際紛争に対して集団的自衛権を行使して自衛隊を出動させること、すなわち武力で他国を守るために海外派兵をすることを認めることを意味しておりますが、日本国憲法の理念の一つ、平和主義を踏まえた憲法第9条のもとでは、専守防衛以外、我が国が武力を行使することは絶対許されないことであります。
 特に自衛権については、日本も個別的、集団的を問わず、自然権としてこれを保持しておりますが、憲法9条のもとでは、日本が直接攻撃を受けたとき、もしくは周辺事態法に言う、放置すれば我が国が攻撃を受ける可能性があるなどの日本の安全が脅かされる場合の二つに限って自衛権を行使することができると解釈されてきております。
 これは、国会の長い年月をかけた議論の積み上げによって確立されたものであり、歴代政権も、集団的自衛権については、これらを根拠に、我が国は保有しているが、行使できないという立場を厳格に踏襲してきており、このことは国是として国民の間に定着しております。
 さらに、憲法を守ることについては、国務大臣、国会議員など公務員は憲法を尊重し、擁護する義務を負うと憲法に明文化されていることから、議論の余地は全くないところであります。
 憲法の上に閣議決定を置くということは、まさに立憲主義の否定であり、このことは我が国が法治国家ではなく人治国家であることを国内外に示すことにもなりかねず、極めて重大な問題をはらんでおります。
 また、集団的自衛権の行使とは、国際法にのっとり宣戦布告を行った上で、我が国と密接な関係にある国が受けた攻撃を自国への攻撃とみなし、武力を行使すること、わかりやすく言えば、売られてもないけんかを買って出るようなものであることから、攻撃を受けた国から我が国が報復を受けることは十分に起こり得ることをしっかりと認識しておくべきであります。
 このような観点から、諸規定に基づき国に意見書を提出するものであります。
 なお、安倍内閣が、我が国の安全保障上、どうしても集団的自衛権行使が必要不可欠であるとするならば、国民投票法も整備されたことから、堂々と憲法9条改正を発議し、国民の判断を仰ぐことこそ立憲政治の王道であることをあえて強調させていただきまして、以上をもって提案理由の説明といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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